ステンレスマグボトル サーモス タイガー 象印

保温、保冷ができるステンレスボトルは蓋がコップの役割をするタイプと、直接本体に口をつけてマグとして使用するタイプの二つに分けることができる。ステンレスマグボトルはその名が示すように後者に属するタイプで、軽量で使い勝手も良いこちらが現在では主流になりつつある。ステンレスマグは最近の節約推奨にも呼応して需要が伸びる商品でもあり、各社から発売されているが、価格、性能、耐久性そして交換パーツの供給性を考慮すると、現状では自ずからサーモス社(Thermos、サーモスはテルモスの英語発音)、タイガー魔法瓶、そして象印マホービン三社の製品に絞られてくるのではないだろうか。無名のバーゲン品を除き他によく見かける商品としては、ピーコック魔法瓶スケーター社の製品があるが、現状では上記三社の製品と比較して、今ひとつ陰りが感じられる。

二種のタイプに分類されるステンレスボトルだが、その一方のステンレスマグも更に二つのタイプに分類することができる。そのひとつはワンタッチオープンタイプ等と呼ばれる、蓋をはね上げて使うタイプで、もうひとつはオーソドックスな蓋を回して取り外すタイプである。最近は前者の人気が高く、特にサーモスの製品が有名だが、ここでは後者のタイプから、ハーフリッター程度の容量を持つ上述した三社の製品を選び、簡単にその特徴を列記してみる。

サーモスのJMZ-480
蓋が半回転で開け閉めできる。飲み口はプラスチック製の別部品。蓋の構造が簡単で掃除、メンテナンスが容易。保温性能は他の二種と比較して今ひとつ劣るようだ。容量は0.48L。

タイガーのサハラマグMMW-A060
タイガーのマグは構造がシンプルで保温性がよい。パッキンはひとつだけで別部品の飲み口がなく、メンテナンスが容易。ボディの幅が細身なため持ち運びには便利だが、構造上、少しのへこみでも、それが保温性能の低下に直結する可能性がある。容量は0.6L。

象印のSM-JB48
飲み口はプラスチック製の別部品。保温性能は良好だが、三つのパッキンをもつ栓の構造が少し複雑で、タイガー製品等に比べればメンテナンス性が劣る。外形等、前モデル(SM-JA48)から多少変更されている。ボトル内部はフッ素加工されている。容量は0.48L。

ステンレスボトルの特徴として、各製品とも内容物の量が減ると保温性能が劇的に落ちるので注意が必要。また、いずれも表面の塗装加工に問題があり、少しのダメージで剥離することがある。各社共皮膜の強度を高める等の処置を講じるか、無塗装のタイプをスタンダードとしてラインアップに加えるべきだろう。

こうした特徴を考慮して主観的に判断すると、機能、外形共に総合的なデザイン性が高いサーモスのJMZ-480が最も高く評価できそうだ。タイガー製品は保温力が高くデザインも良いが、そのスリムなボディを維持するための高度な加工技術と引きかえに、ダメージへの耐性がいくぶん犠牲にされているようで、その点が気にかかる。ポータブルな製品の選択に際しては、初期性能だけではなく耐久性も十分に考慮することが重要だ。

簡単に特徴を列記し製品の評価を試みたが、その結果とは異なり私が現在も常用しているのは象印のSM-JA48(JB48の旧モデル)だ。保温性と耐久性を考慮しての選択だが、実際に使用してみるとメンテナンス性に関しても実用上の問題が生じることはない。蓋の構造は確かに複雑だが、よほど神経質なユーザでもない限り、毎回の使用ごとにすべてを分解して清掃する必要はないからだ。仮に頻繁に清掃するにしても、蓋はメンテナンス性を十分に考慮した構造が取られているので、慣れればわずらわしさもなくなるだろう。難点と言えば、清掃時に取り外す蓋の上部の緩さが気になるが、改善を望むのは困難かもしれない。購入後間もない新品の状態での実用上の保温性能は、95度程度に煮沸した湯をいっぱいに入れ、12時間後に約半分まで使用した場合、残り湯の温度は30から35度程度というところだった。

この象印SM系製品は「Zojirushi Stainless Steel Vacuum Insulated Mug」という名称でアメリカでも販売されており、一定の評価を得ているようだ。

象印 SM-JA48

ご注意)上記写真は象印のSM-JA48、新品購入時に撮影したものです。

かぼちゃ 葉 茎 花 試食

「かぼちゃ(squash)」は代表的な緑黄色野菜として日本でも広範に食されているが、日本種、西洋種を問わず、食材として用いるのは果実の、それも果肉部分に限定されている。一方、諸外国に目を移すと、ナッツとして普及している種子はもとより、アジア南部から西欧に至るまで、葉、茎、花も食材として利用されている。そこで私は、日頃敬遠されているそれらを試食してみることにした。

日本の青果市場では果実以外の流通がないが、幸い「和かぼちゃ(星形の実が付く品種)」を無農薬で自家栽培しているので、その葉、茎、花を採取して試食した。かつてかぼちゃと言えばこの「和かぼちゃ」のことを意味していたが、現在ではより甘く引き締まった実が特徴の西洋種が一般的だが、実質的に大差は無いと思われる。以下は、あくまでも私個人の状況と趣味判断を基に記述したものである。

 a fruit and leaves of a squash

収穫したかぼちゃの葉、茎、花は、いずれも生食とはせず、加熱調理して試食する。茎は葉の下側に伸びている柔らかい茎を、花は雄花を使用した。それぞれの素の味を知るため、調理はできるだけ簡単な方法を取ることにした。葉、茎、花、いずれもしばらく真水に漬け、簡単にアク抜きをした後、葉と茎は少量の塩を加え水炊きにし、花は溶解を防ぐため小麦粉に練りこんで焼き上げた。

茎は淡白で癖がなく、とりわけ日本風の味付けによる炊きもの等が合いそうだ。葉は風味が濃く、炊き汁も緑色になる。少々独特な食感があるが、栄養価は高そうで、炒め物などにも合いそうだ。花は緑色の「がく」の部分を除き、すべて使用した。全体を細かく切り、小麦粉(薄力粉)を加え、潰すように練った生地を「お好み焼き」のような感じで焼き上げた。そのままでは、ほのかに甘みが感じられる程度の味の薄い一品だが、それに砂糖や蜂蜜をまぶすと、独自の味覚の美味な菓子へと変貌する。花は惣菜よりも甘い料理、とりわけ菓子やケーキ類の素材に向いているようだ。花自体に苦味等の気になる味覚はないが、生地に炭酸を加えると、少々異様な臭味が発生した。塩やベーキングパウダーは用いていない。

flowers of a squash

かぼちゃの葉、茎、花、いずれも十分に夏野菜として利用できそうな食味である。先入観を捨て調理に臨むと、様々なレシピに応用できるだろう。但し、八百屋等での入手が困難な場合、自分でかぼちゃを栽培し、収穫することになる。栽培自体は難しくはないが、きめ細やかな配慮が必要で、とりわけ葉はカビの発生に絶えず注意を払い、表面が白変して来たものは早々に取り除くよう心掛ける。葉、茎、花いずれも夏野菜として充分に食せるもので、果実よりも、むしろそれらの採取を前提とした栽培も充分に価値があるに違いない。

BOSE ボーズ 251

The Bose 251 Environmental Speakers(以下BOSE 251または251)はその名前が示すように、屋外での程良い音楽再生を念頭に設計されたスピーカーだ。日本ではあまり見かけることのないBOSE 251だが、欧米ではこの種のスピーカーとしては大変評価が高く、いくつかの賞も与えられている。サイズは高さ342mm、幅146mm、最深部の奥行きが218mm、本体のみの重量は3.6kgで、インピーダンスは6Ω。能率は公称82dBとBOSEのスピーカーとしては低いが、実際に使用してみると86dB程度の製品と余り違いはない。奥行きの最深部とはボックスの特異な形状を示し、上部(写真では下部)裏側が妊婦の孕んだ腹部のような形になっていて、そこに低音部を支える130mmのウーファーが仕込まれている。そのウーファー用の二本のバスレフポートに挟まれて、250Hz以上の帯域を受け持つ二本の57mmフルレンジドライバーがそれぞれ異なる方向に角度を付けて直列配置されている。BOSEの低域再生へのこだわりが、標準的なウーファー+ツイーターではなく、このようなフルレンジ+スーパーウーファーという特異な構成を選択させている。一般的な屋外設置用スピーカーは耐水性を高めるため密閉型になっている事が多くそれが低音の再生能力を限定するが、一方このBOSE 251ではポートに排水管の役割を負わせることで、密閉型にこだわることなくバスレフ型特有の深い低音を得ることに成功している。英語版のカタログでは音階が聞き分けられる明瞭な低音を目指したと記載されているが、確かにチューニングが異なる二本のポートから出てくる低音はよく引き締まり、このサイズのスピーカーとしては量感も十分すぎるぐらいにある。また、BOSE得意のドライバーの傾斜配置によるリスニングポイントの広域化によって、一般的な2ウェイとは明らかに異なる独特な音場が形成されている。

Bose 251

BOSE 251の音質は他のBOSEの小型フルレンジドライバーの特長を継承したもので、高域が地味で多少こもりがちな印象を受ける。やはりこの251もハイファイ用スピーカーとしては、解像度において物足りなさが付きまとう。オーケストラの再生では音場の見通しは良いものの、弦をはじめとして各パートがひとかたまりに聴こえてしまう。やはりクラシック系の再生にはツイーターの解像度が不可欠のようだ。一方、現代音楽にあるような強靭なソース、特に打楽器の再生では、急激な音の立ち上がりにも低音部が破綻なく追随し、ダイナミックに鳴らしきる。ピアノも同様で、高音部のベルのような音色には霞がかかるが、低音部は弦の微妙な振動まで見通しよく表現する。BOSE 251はモニターやPA用途として設計されたものではないがそれに似た傾向があり、多少こもりがちではあるが、ハイファイとは異なる意味でソースを色付けなく再現しようとする。したがって古いジャズの再生では録音時の粗(あら)が目立ち雰囲気が損われることがあり、ボーカルでは声質が固く多少サシスセソが強調されるので、ソプラノがヒステリックに感じられることがある。BOSE 251はその特異な設計からも想像されるように、セッティングによって音の現れ方が相当に変化する。リスナーが気になるところはスピーカーの配置によってかなりの改善が見込めるが、それでも間に合わない場合はイコライザーの使用を検討するなど、電気的な解決法に頼ることになるだろう。

The Bose 251 Environmental SpeakersBOSE

NHT SB1

SB1はNHT(Now Hear This)という名称のアメリカの会社がデザインし販売していた、黒または白の光沢のあるピアノフィニッシュによる見栄えのよい小型2ウェイスピーカーである。ドライブは柔らかなゴム製エッジを持つ130mmのウーファーと25mmのアルミニウム製ハードドームトゥイーターという構成で、再生周波数帯域が68Hz-22kHz(±3dB)、出力音圧レベルが86dB(2.83V/1m)、インピーダンスは8Ω、重量は3.6kgと、このサイズのスピーカーでは標準的な仕様である。このSB1は、高さ260mm、幅160mm、奥行き170mmという小型サイズながら、バスレフではなくアコースティック・サスペンション(密閉)方式が採用され、SBシリーズのより大きなサイズの製品との整合性が図られている。

NHT SB1

アメリカ製造のスピーカーといえばJBL(James Bullough Lansing)に代表されるような軽快で明るく明快な音質が想像されるが、このSB1は密閉型という仕様を別にしても、相当異なるパフォーマンスを展開する。ジャズの再生を期待するリスナーは、シンバルの控えめな再生と、ベースの欠落に不満を感じるに違いない。高低各ユニットのクロスオーバー周波数は2.6kHzに設定されており、ハードドームの音色はかなり控え目だ。加えて低音もこのサイズでの密閉型では自ずから限度があり、相当な過不足が感じられる。SB1が威力を発揮するのはむしろ欧州系のクラシックとボーカルの再生で、前者では繊細な弦楽の美しさを破綻なく再現し、後者ではサシスセソを強調することなく艶のある声色を聴かせてくれる。教会オルガンの再生では各レジスターの微妙な差異を明確に表現し、ソースがよければ低音の過不足も感じられない。全体的に湿り気のある密閉型特有の音質だが、SB1には欧州系のそれとは異なる独特な持ち味がある。

全体的な質感が高いSB1だが、完成度の高い音楽再生を求めるならば、やはり低音部の補強が必要になりそうだ。メーカーとしてもSB1をサブスピーカーに位置づけており、単体での使用には他のより大きなサイズのモデルを推薦している。一方、それほど低音にこだわりがなく、音量も小さめに抑えることが多くなるデスクトップでの使用では、SB1特有の繊細さと、ぎらつきのない堅実な音色が、有利な方向に作用する。多少地味だが、それが近距離での連続したリスニングにおいて、ともすれば起こりがちな疲労感を減衰させる。デスクトップスピーカーとしてならば、単体での使用にもさしたる不満を感じさせることはないだろう。

SB1は既に次世代製品へと引き継がれているが、音質に関しては現行モデルとそれほどの差異はないと思われる。販売時の定価はセットで41790円、推奨アンプ出力は15から125Wで、小出力のデジタルアンプにも問題なく対応する。

NHTJBL

介助用車いす フランスベット FB-Kネオ

車いすとしてまず連想されるのは自走型と呼ばれるタイプで、使用者自らが後輪に装着されたハンドリングを用いて車を動かすことを前提に設計されている。一方、その自走型の車体に16インチ程度の小径輪を取り付けたのが介助型と呼ばれるタイプで、移動は介助者に任される。ここでとりあげるフランスベット社のFB-Kネオも、同社自走型のFB-Jネオを介助型に転用したものある。

FB-Jネオ

FBシリーズは両タイプ共とシート高が38cmのいわゆる低床型で、とりわけ小柄な成人や片麻痺走行が必要な半身不随者にも便利である。FBシリーズはモジュールタイプではなく、低床のシート高、40cmの座幅ともに固定されているが、ステップ板の高さを調整することで、使用者の座位下腿長や各種の使用状況に対応する。スイング式で簡単に取り外せるフットレスト、はね上げ式の肘掛け、折り畳み式のブレーキレバーといった機能が、介助時の利便性を向上する。座面は肉厚のアルミフレームに支えられ、耐荷重は100kg。本体の重量はFB-Kネオで約14kg、FB-Jネオで約15kgである。

近年のとりわけ高齢者による需要の高まりによって、徐々にその姿を見かける機会が増えてきた介助型の車いすだが、福祉の先進国である欧米ではあまり見かけることはない。介助型はホイールが小径のため車体重量が幾分軽くなるものの、乗り心地に加え、段差の乗り越えなどの状況において多少の不便が生じると言われている。しかし介助者として実際に使用してみると、室内、戸外ともに全く不便は感じられず、多少なりとも小ぶりな介助型のほうが有利になる場面も少なくない。ただし、舗装路からはずれた荒れ地や草地の使用に関しては、大径ホイールのほうが有利であると思われる。

高齢者の介護をはじめ、万が一の怪我、災害時の避難等、意外と車いすの用途は広い。われわれの住環境とは実に不安定なものであり、短時間のうちに激変する。

クロスバイク シラス 改 Sirrus Reconstructed

現在これだけ普及したクロスバイクだが、その起源を遡るとマウンテンバイクにたどり着く。自転車によるマウンテンライドは、1970年代に米国のカリフォルニア州北部で行われていたダウンヒル競技に、その起源をもつといわれているが、当初そのような用途に即したバイクはなく、競技には一般車を個々が独自に改造した車体が用いられていた。もちろんこの時期にはまだ「マウンテンバイク」という名称は普及しておらず、いくつかの製品化を経た1980年代初頭、このシラスを開発したスペシャライズド社が販売した「スタンプジャンパー」により初めてマウンテンバイクという名が世界中に知られるようになった。マウンテンバイクはその剛健性と汎用度の高さから急速に普及したが、実際に購入したユーザーの多くは、街中の舗装路しか走らないという使用状況が発生した。こうした需要を満たすために、マウンテンバイクの悪路踏破性や剛健性をある程度残しつつ、ロードでの走行性も重視した車体として、徐々に改造され定着したのが、現在一般にクロス(オーバー)バイクと呼ばれる車種である。

こうした歴史的背景を別にしても、ロードバイクでは負荷が重過ぎる場面がある山がちな生活環境を考え、今回組み上げるバイクはマウンテンの持つ走行性も重視したクロスバイクとすることにした。そのスペシャライズド社が販売しているシラス(Sirrus)のフレームをベースとし、ホイール以外の各部はマウンテン用のパーツで固めてみた。

シラス用カスタムパーツ

今回は高速での直進走行性よりも、近距離走行や低速でのハンドリングの良さ、車体の取り扱いやすさにスポットをあてたバイクを志向した。マウンテンバイク的なポジショニングを意識して、フレームは少し小さめのサイズを選定し、ブレーキとギヤ周りはシマノ(Shimano)のデオーレ(Deore)を中心に、シート、シートピラーそしてハンドル回りは種々のマウンテン用パーツを装着した。ブレーキは制動時のバランスを考慮して、デオーレLXの旧製品を選んでいる。とりあえず手持ちの細めのロードタイヤ(25C)を選択して試乗してみると、やはりシラスのフレームとマウンテン用パーツとの相性はよく、目的にかなったバイクが出来る確信がもてた。最近ではクロスバイクといっても、舗装路での高速走行を前提としたロード寄りの車種が多く出回っているが、筆者のように山裾の丘陵地に位置し、舗装されつつも荒れた路面が多い生活環境を考慮して「道を選ばず軽快に」というクロスバイク本来の意図を汲みながらバイクを組むのなら、こういった組み合わせが功を奏するようだ。やはり市販品とは異なり、自分で設計し組み上げるセルフメードバイクには格別のフィット感がある。今回はシクロクロスとも異なる中庸なクロスバイク用フレームを中心とした組み立てだったが、作業は概ね終了し、あとは最終的な調整を残すのみとなった。

  • フレーム: SIRRUS A1 EXPERT
  • エンド幅: 130mm
  • ボトムブラケット(Sirrus純正は 68x113mm): 68(JIS)、1.37x24、MM110、 Chainline=47.5
  • クランク: 175mm
  • スプロケット(前): 11, 13, 15
  • スプロケット(後): 17, 20, 23, 26, 30, 34
  • チェーンリンク数: 108(?)
  • ディレーラー(フロントM510): Stay Angle=66-69°
  • シートポスト: 27.2mm
  • ハンドルクランプ径: 25.4mm
  • コラム径: 1-1/8インチ(28.6mm オーバーサイズ)
  • ヘッドセット: 1-1/8インチ(28.6mm オーバーサイズ)
  • リムテープ幅: 15mm
  • スポーク: ステンレスプレーンスポーク#14、FRONT:282mm

上記データは私のカスタムバイクのもので、市販品のシラスのデータとは異なります。何かの参考になればと思い、あえて掲載しています。

クロスバイクマウンテンバイクロードバイクシマノ(Shimano)デオーレ(Deore)

NEGLEX 2534 RCAケーブル 自作

PCに取り付けたONKYOのボード(SE-90PCI)とデジタルアンプというシステムでの使用を前提に、NEGLEX2534を用いたRCAケーブルを製作した。アンプはカマデンのTA2020キットをベースにしているが、通常のスイッチング電源を使用する小型のものではなく、重量級のトランスを大きめの金属ケースに収めた自作アンプだ。このアンプと各種スピーカーを結ぶケーブルには、NEGLEX2534を意識して、同じく業務用のカナレ4S8(3.5m)を選択した。前提とするシステムが音源をCDではなくWAVとし、それをTA2020で増幅、スピーカーへ出力するというシンプルな構成なので、音質の調整をケーブル類に頼ることになる。

ケーブルの製作にあたっては、デジタル機器同士の接続ということで多少堅めの音が予想されたが、あえて業務用ケーブルを用いることにした。業務用ケーブルの特徴として、よくフラットな特性が強調されるが、オーディオ用途では実特性がフラットだと、聴感上ではハイとローが強調されたいわゆる「ドンシャリ型」になることも少なくない。ベルデンの(BELDEN)8412という選択肢もあったが、アナログ機器での経験上ベルデンは少しワイルドな印象があるため、今回はモガミ(MOGAMI)のNEGLEX2534を採用した。ピンプラグはよく使われるカナレのものではなく、店頭で見つけたより重量のあるプラグを採用した。ブランドは不明だが厚みのある金属製ボディで質感も良い。ハンダには普段使い慣れたKester44を使用した。ふだんRCAケーブルを製作する際は便宜上100cmを基準にしているが、今回は設置場所の関係で140cmという長さのケーブルになった。作業工程を以下に簡単に示す。

RCA cables with NEGLEX 2534

1)まずは芯線の被覆を行う。今回は片側グランド構造のケーブルなので、もう一方のシールド線は完全に除去する。各線の撚りは時計回りに統一した。2)次に各線をハンダ付けする。ハンダにはKester44を用い、量は最小限に抑えながら各線と端子を密着、固定する。3)最後にあらかじめ通しておいた熱収縮チューブを取り付ける。チューブの収縮には大き目のヘアドライヤーを使用し、取り付けにはシンプルな方法を用いることにした。4)完成品の外形。ピンプラグはブランド品ではないが、重量もあり頑丈で質感もよい。

製作に当たり、ケーブルは片側グランド構造として「NEGLEX 2534 MICROPHONE CABLE MOGAMI JAPAN」と印刷されているうちのNEGLEXの文字がある側のシールド線をコールド側に落とすようにした。シールド線や芯線はすべて時計回りにネジってからハンダ付けしているが、ネジらないほうが音質にはよいという意見もある。ここでは経年に対しての耐久性を重視し、あえて撚りを加えた。芯線と端子とは圧着ハンダで密着させるが、その際ハンダを最小限の使用量に止めることが重要。最後に端子部分を覆うように熱収縮チューブを取り付けて完成となる。NEGLEX2534の芯線は「架橋ポリエチレン絶縁体」という皮膜材質が使われているが、これは適度な柔らかさをもちながらも熱にはたいへん強く、作業の大きな助けになった。

実際に使用してみての感想だが、予想していたより音が細やかであるというのが第一印象だ。業務用ケーブルということで、太めで存在感のある音像と多少肌理の荒い質感を予想していたが、実際には細部の見通しがよく質のよい「カマボコ型」を想起させる音質だ。繊細な音場を構築するが音が全体的に多少曇りがちになるNHT等の密閉型スピーカーでは、このケーブルがそうした欠点をよくフォローし、ボリュームを上げた際にも荒げることなく、低、高音部ともに切れ味や見通しの改善が確認できる。BOSEをはじめとするいくつかのバスレフ型の小型スピーカーでは、ボリュームを上げた際の騒々しさが改善され、低音部の量感を犠牲にすることなくクリヤーさが増す。このシステムがデジタルソース再生時に時々見せる荒々しさを、今回製作したNEGLEX2534ケーブルがよくフォローしてくれているようだ。

ONKYOオーディオボードSE-90PCIカナレ4S8ベルデンの(BELDEN)8412モガミ(MOGAMI)のNEGLEX2534Kester44BOSE

鏡 ミラー タルコフスキー DVD

久々に手持ちのDVDで「鏡」を観た。この語り尽くされたアンドレイ・タルコフスキーの有名な映画の内容に関しては今更言を持たないが、ここでは普段あまり論じられることがないこのDVDディスクに関する問題について述べるすることにする。本文執筆時において、日本で購入できるタルコフスキーの「鏡」DVDには二種類の版が存在する。そのひとつは主にアメリカで流通しているKino Video版で、もうひとつはおそらく現在最も広く流通していると考えられるRusCiCo版(1)である。後者のRusCiCo版は当初2002年7月にイギリスのArtificial Eyeから発売されたもので、発売当時その音源や画質が問題視された。ここでは詳細は省くが、その問題とは原版のモノラル音源を5.1サラウンドに変換する際、相当の変更が加えられたことと、全体的な画質はKino版より優れているものの、画面の行き過ぎた明瞭さが、一部原画のもつイメージを大幅に損なっているというものである。

RusCiCoは購買者からの批判に答え、翌2003年になって、画面上で音源をモノラルか5.1サラウンドかのどちらかに選択できる改訂版を発表した。但し、この版では画質に関しての変更はない。少なくともこれでDVD上では前者の音源の問題は回避されたが、Artificial Eye製のRusCiCo版購買者にとってこの問題はまだ必ずしも解決していない。というのも、この改訂版とモノラル音源が付属していない初版とが同一パッケージで販売されており、外見上区別できないからだ。特に通販で購入する場合、選択は全く不可能だ。初版を掴まされないようにするには、購入前に販売店に確認を取るしかないというわけだが、そもそもこうした問題の存在を知る購入(予定)者がどれだけいるだろうか。ちなみに、現在日本で鏡【デジタル完全復元版】というタイトルで流通している日本版は上記の改訂RusCiCo版を原版としているようで、モノラルか5.1chサラウンドかの選択ができるようになっている。

この記事はタルコフスキー関連では有名なnostalghia.comを参考にして書いているが、記事にはもうひとつ上述とは別の問題に関するAndrey Dimentによる興味深い記事が掲載されている。ここで彼は、RusCiCoのNTSC版はPAL版からの単なる置き換えに過ぎないため、特にPC上での閲覧には問題が生ずると指摘する。彼はこうした問題を回避する手段として、RusCiCo版に関してはPALのディスクを購入し、NTSCへは手持ちのDVDプレーヤーから変更することを推奨している。ご存知のように日本の再生方式は北米と同じくNTSC方式であり、上述のRusCiCoの日本版DVDもNTSC方式での再生となっている。日本版を製造する際、NTSCマスターを新たに作成したのか、あるいは単にRusCiCoのNTSC版の装丁を日本向けに変更して販売しているのか、ここでの解答は不可能だ(2)。成熟期を迎えていると言われるDVDだが、次世代DVDの問題にもみられるように、決して完璧なメディアではない。特に日本では高価なDVDである。消費者は常に情報を収集し、購入前によく検討することが必要だ。私は幸運にもこのような情報を海外の情報源から直接得ることができるが、全ての消費者が購入前にこうした情報に接することが可能かどうかと言うと、はななだ疑問である。製造、輸入元や販売店はもっと積極的に購入時の判断材料にできるような情報を収集し、購入者に開示すべきだろう。nostalghia.comでは現時点でのタルコフスキーの「鏡」DVDのなかではRusCiCoのPAL版を推奨している。私自身としては、現時点で最も興味があるのは日本では入手困難で、かつ字幕が無い(という)ロシアの「Lizard」版だ。どこかのエージェンシーが少なくとも英語の字幕を付けたNTSCマスター版を安価にて製作、販売してくれればそれが理想的なのだが。

追記)PCの進化と共に激変するのがメディアだが、この記事を執筆した2006年以降、各製品の状況にも大きな変化が見られるようだ。DVDは普及度が高く安定しているとはいえ、画質の面からは既に旧規格になりつつあり、この作品に関しても既にHD-DVDBlu-rayが発売されている。

ノート
(1)Russian Cinema Council DVD edition
(2)RusCiCoのPAL英国版とNTSC日本版ではカタログ上の収録時間は同じ(102分)である。通常PALはNTSCに比べ4%程度早くなるはずだが、かつてよく店頭に並んでいたアイ・ヴィー・シー版の収録時間は108分となっていた。
参照したページ
Andrei Tarkovsky's films on DVD
Tarkovsky's films on DVD - our recommendations
Should I buy the PAL or the NTSC version?

アンドレイ・タルコフスキーKino Video版RusCiCo版RusCiCo日本版アイ・ヴィー・シー版

音楽 CD 寿命

日本では1982年の秋に発表され、長きに渡って親しまれてきた音楽CD(以下単にCDと表記)だが、最近になってやっとその終焉が身近に感じられるようになった。録音物の受け渡しが物質的媒介物と切り離されてからすでに久しい現在、これからは現存する膨大な量のCDの維持、管理へと注意が向けられてゆく中で、CDは以外に脆い生産物であるという事実が、徐々に明るみに出てきている。

ディスクの寿命に関してはすでに1982年秋の初出時に、いくつかの見解が公表されていた。とはいえそれは適切な保管状況を前提として30年から100年という極めて曖昧な予想に終始するものだった。現在その下限である30年をすでに越えてはいるものの、未だに当時のディスクは問題なく再生できている。音楽CDのデータはピットと呼ばれるくぼみをつくることで記録されており、レーザーによる色素変化を用いて記録するCD-R等に比べ、安定性が高く長持ちするといわれている。だがその一方で、問題が生じ再生が困難になるディスクが出始めている。

Damaged Music CD

写真は筆者のディスクを撮影したものだが、ひとつは記録層が剥離し、もうひとつは記録層全体が腐食し変色している。前者においては大きなデータの欠落が、また後者においては素材自体の劣化が、再生を不可能にする。これらはドイツと英国で1990年代初頭に製造されたディスクで、適切な環境で保管しており、さしたる傷もなく使用頻度も高くない。無数に出回っているディスクが一斉にそのような状況に陥るとは考えにくいが、何らかのかたちによる経年劣化は避けがたそうだ。

物質的な問題を別にしても、やはりCDは分が悪い。かつては高音質を売り物にしたCDだが、もはやその特性は時代に取り残されている。CDはその特性上データを44.1kHz/16bit(1411.2kbps)で記録するが、すでに録音現場では96kHz/24bit、あるいはそれ以上のデータ処理が通例となっており、CDはそれをダウンサンプルして収録する。いかなるリマスターを試みても、またどのようば新素材を用いてみても、CDがそれ本来のスペックを越えることはない。

エルジンレディースウオッチの電池交換

今では大衆向けの時計ブランドとして、その名が定着しているエルジン(ELGIN)だが、かつてはアメリカの高級ブランドとして名を馳せた時代もあった。1960年代後半に会社は一旦消滅し、その後日本の会社がライセンス生産をはじめ、今に至る。

写真はその新生エルジン(ELGIN)のレディースウオッチで、日本製のクオーツ時計、型番は「16-198」。販売されてから既に時を経た時計だが、同じく日本製の良質なムーブメント(2石)が内蔵されており、未だに問題なく動作する。一応「Water Resistant」と記されてはいるが、裏蓋は「はめ込み式」で、高い防水性能を期待するのは困難だ。

ELGIN

その裏蓋だが、開けるには「こじあけ」と呼ばれる専用ツールを使用する。時計本体と裏蓋と間にある隙間部分にヘラを差し込み開けるのだが、本機の隙間は極めて狭く、その場所さえも分かり辛い。一見して六時の位置にありそうに思えるが、実は一時から二時のあたりにその隙間が存在する。

「こじあけ」には先端が異なるいくつかの種類がある。手持ちのツールの先端には隙間が狭すぎる場合には、時計とは一見無関係な道具を応用してみるのも一案だ。よく代用されるのが精密ドライバーだが、本体に傷を付けやすく、推奨できるものでは決してない。考えられる道具のひとつが、絵画に用いるペインティングナイフで、筆者はそれを用いて、この種の時計の裏蓋を開けている。

裏蓋を開ける理由のほとんどは電池交換によるものと思われるが、本機の電池には一般的な「SR626SW」が採用されている。

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