ステンレスマグボトル サーモス タイガー 象印

保温、保冷ができるステンレスボトルは蓋がコップの役割をするタイプと、直接本体に口をつけてマグとして使用するタイプの二つに分けることができる。ステンレスマグボトルはその名が示すように後者に属するタイプで、軽量で使い勝手も良いこちらが現在では主流になりつつある。ステンレスマグは最近の節約推奨にも呼応して需要が伸びる商品でもあり、各社から発売されているが、価格、性能、耐久性そして交換パーツの供給性を考慮すると、現状では自ずからサーモス社(Thermos、サーモスはテルモスの英語発音)、タイガー魔法瓶、そして象印マホービン三社の製品に絞られてくるのではないだろうか。無名のバーゲン品を除き他によく見かける商品としては、ピーコック魔法瓶スケーター社の製品があるが、現状では上記三社の製品と比較して、今ひとつ陰りが感じられる。

二種のタイプに分類されるステンレスボトルだが、その一方のステンレスマグも更に二つのタイプに分類することができる。そのひとつはワンタッチオープンタイプ等と呼ばれる、蓋をはね上げて使うタイプで、もうひとつはオーソドックスな蓋を回して取り外すタイプである。最近は前者の人気が高く、特にサーモスの製品が有名だが、ここでは後者のタイプから、ハーフリッター程度の容量を持つ上述した三社の製品を選び、簡単にその特徴を列記してみる。

サーモスのJMZ-480
蓋が半回転で開け閉めできる。飲み口はプラスチック製の別部品。蓋の構造が簡単で掃除、メンテナンスが容易。保温性能は他の二種と比較して今ひとつ劣るようだ。容量は0.48L。

タイガーのサハラマグMMW-A060
タイガーのマグは構造がシンプルで保温性がよい。パッキンはひとつだけで別部品の飲み口がなく、メンテナンスが容易。ボディの幅が細身なため持ち運びには便利だが、構造上、少しのへこみでも、それが保温性能の低下に直結する可能性がある。容量は0.6L。

象印のSM-JB48
飲み口はプラスチック製の別部品。保温性能は良好だが、三つのパッキンをもつ栓の構造が少し複雑で、タイガー製品等に比べればメンテナンス性が劣る。外形等、前モデル(SM-JA48)から多少変更されている。ボトル内部はフッ素加工されている。容量は0.48L。

ステンレスボトルの特徴として、各製品とも内容物の量が減ると保温性能が劇的に落ちるので注意が必要。また、いずれも表面の塗装加工に問題があり、少しのダメージで剥離することがある。各社共皮膜の強度を高める等の処置を講じるか、無塗装のタイプをスタンダードとしてラインアップに加えるべきだろう。

こうした特徴を考慮して主観的に判断すると、機能、外形共に総合的なデザイン性が高いサーモスのJMZ-480が最も高く評価できそうだ。タイガー製品は保温力が高くデザインも良いが、そのスリムなボディを維持するための高度な加工技術と引きかえに、ダメージへの耐性がいくぶん犠牲にされているようで、その点が気にかかる。ポータブルな製品の選択に際しては、初期性能だけではなく耐久性も十分に考慮することが重要だ。

簡単に特徴を列記し製品の評価を試みたが、その結果とは異なり私が現在も常用しているのは象印のSM-JA48(JB48の旧モデル)だ。保温性と耐久性を考慮しての選択だが、実際に使用してみるとメンテナンス性に関しても実用上の問題が生じることはない。蓋の構造は確かに複雑だが、よほど神経質なユーザでもない限り、毎回の使用ごとにすべてを分解して清掃する必要はないからだ。仮に頻繁に清掃するにしても、蓋はメンテナンス性を十分に考慮した構造が取られているので、慣れればわずらわしさもなくなるだろう。難点と言えば、清掃時に取り外す蓋の上部の緩さが気になるが、改善を望むのは困難かもしれない。購入後間もない新品の状態での実用上の保温性能は、95度程度に煮沸した湯をいっぱいに入れ、12時間後に約半分まで使用した場合、残り湯の温度は30から35度程度というところだった。

この象印SM系製品は「Zojirushi Stainless Steel Vacuum Insulated Mug」という名称でアメリカでも販売されており、一定の評価を得ているようだ。

象印 SM-JA48

ご注意)上記写真は象印のSM-JA48、新品購入時に撮影したものです。

BOSE ボーズ 251

The Bose 251 Environmental Speakers(以下BOSE 251または251)はその名前が示すように、屋外での程良い音楽再生を念頭に設計されたスピーカーだ。日本ではあまり見かけることのないBOSE 251だが、欧米ではこの種のスピーカーとしては大変評価が高く、いくつかの賞も与えられている。サイズは高さ342mm、幅146mm、最深部の奥行きが218mm、本体のみの重量は3.6kgで、インピーダンスは6Ω。能率は公称82dBとBOSEのスピーカーとしては低いが、実際に使用してみると86dB程度の製品と余り違いはない。奥行きの最深部とはボックスの特異な形状を示し、上部(写真では下部)裏側が妊婦の孕んだ腹部のような形になっていて、そこに低音部を支える130mmのウーファーが仕込まれている。そのウーファー用の二本のバスレフポートに挟まれて、250Hz以上の帯域を受け持つ二本の57mmフルレンジドライバーがそれぞれ異なる方向に角度を付けて直列配置されている。BOSEの低域再生へのこだわりが、標準的なウーファー+ツイーターではなく、このようなフルレンジ+スーパーウーファーという特異な構成を選択させている。一般的な屋外設置用スピーカーは耐水性を高めるため密閉型になっている事が多くそれが低音の再生能力を限定するが、一方このBOSE 251ではポートに排水管の役割を負わせることで、密閉型にこだわることなくバスレフ型特有の深い低音を得ることに成功している。英語版のカタログでは音階が聞き分けられる明瞭な低音を目指したと記載されているが、確かにチューニングが異なる二本のポートから出てくる低音はよく引き締まり、このサイズのスピーカーとしては量感も十分すぎるぐらいにある。また、BOSE得意のドライバーの傾斜配置によるリスニングポイントの広域化によって、一般的な2ウェイとは明らかに異なる独特な音場が形成されている。

Bose 251

BOSE 251の音質は他のBOSEの小型フルレンジドライバーの特長を継承したもので、高域が地味で多少こもりがちな印象を受ける。やはりこの251もハイファイ用スピーカーとしては、解像度において物足りなさが付きまとう。オーケストラの再生では音場の見通しは良いものの、弦をはじめとして各パートがひとかたまりに聴こえてしまう。やはりクラシック系の再生にはツイーターの解像度が不可欠のようだ。一方、現代音楽にあるような強靭なソース、特に打楽器の再生では、急激な音の立ち上がりにも低音部が破綻なく追随し、ダイナミックに鳴らしきる。ピアノも同様で、高音部のベルのような音色には霞がかかるが、低音部は弦の微妙な振動まで見通しよく表現する。BOSE 251はモニターやPA用途として設計されたものではないがそれに似た傾向があり、多少こもりがちではあるが、ハイファイとは異なる意味でソースを色付けなく再現しようとする。したがって古いジャズの再生では録音時の粗(あら)が目立ち雰囲気が損われることがあり、ボーカルでは声質が固く多少サシスセソが強調されるので、ソプラノがヒステリックに感じられることがある。BOSE 251はその特異な設計からも想像されるように、セッティングによって音の現れ方が相当に変化する。リスナーが気になるところはスピーカーの配置によってかなりの改善が見込めるが、それでも間に合わない場合はイコライザーの使用を検討するなど、電気的な解決法に頼ることになるだろう。

The Bose 251 Environmental SpeakersBOSE

NHT SB1

SB1はNHT(Now Hear This)という名称のアメリカの会社がデザインし販売していた、黒または白の光沢のあるピアノフィニッシュによる見栄えのよい小型2ウェイスピーカーである。ドライブは柔らかなゴム製エッジを持つ130mmのウーファーと25mmのアルミニウム製ハードドームトゥイーターという構成で、再生周波数帯域が68Hz-22kHz(±3dB)、出力音圧レベルが86dB(2.83V/1m)、インピーダンスは8Ω、重量は3.6kgと、このサイズのスピーカーでは標準的な仕様である。このSB1は、高さ260mm、幅160mm、奥行き170mmという小型サイズながら、バスレフではなくアコースティック・サスペンション(密閉)方式が採用され、SBシリーズのより大きなサイズの製品との整合性が図られている。

NHT SB1

アメリカ製造のスピーカーといえばJBL(James Bullough Lansing)に代表されるような軽快で明るく明快な音質が想像されるが、このSB1は密閉型という仕様を別にしても、相当異なるパフォーマンスを展開する。ジャズの再生を期待するリスナーは、シンバルの控えめな再生と、ベースの欠落に不満を感じるに違いない。高低各ユニットのクロスオーバー周波数は2.6kHzに設定されており、ハードドームの音色はかなり控え目だ。加えて低音もこのサイズでの密閉型では自ずから限度があり、相当な過不足が感じられる。SB1が威力を発揮するのはむしろ欧州系のクラシックとボーカルの再生で、前者では繊細な弦楽の美しさを破綻なく再現し、後者ではサシスセソを強調することなく艶のある声色を聴かせてくれる。教会オルガンの再生では各レジスターの微妙な差異を明確に表現し、ソースがよければ低音の過不足も感じられない。全体的に湿り気のある密閉型特有の音質だが、SB1には欧州系のそれとは異なる独特な持ち味がある。

全体的な質感が高いSB1だが、完成度の高い音楽再生を求めるならば、やはり低音部の補強が必要になりそうだ。メーカーとしてもSB1をサブスピーカーに位置づけており、単体での使用には他のより大きなサイズのモデルを推薦している。一方、それほど低音にこだわりがなく、音量も小さめに抑えることが多くなるデスクトップでの使用では、SB1特有の繊細さと、ぎらつきのない堅実な音色が、有利な方向に作用する。多少地味だが、それが近距離での連続したリスニングにおいて、ともすれば起こりがちな疲労感を減衰させる。デスクトップスピーカーとしてならば、単体での使用にもさしたる不満を感じさせることはないだろう。

SB1は既に次世代製品へと引き継がれているが、音質に関しては現行モデルとそれほどの差異はないと思われる。販売時の定価はセットで41790円、推奨アンプ出力は15から125Wで、小出力のデジタルアンプにも問題なく対応する。

NHTJBL

介助用車いす フランスベット FB-Kネオ

車いすとしてまず連想されるのは自走型と呼ばれるタイプで、使用者自らが後輪に装着されたハンドリングを用いて車を動かすことを前提に設計されている。一方、その自走型の車体に16インチ程度の小径輪を取り付けたのが介助型と呼ばれるタイプで、移動は介助者に任される。ここでとりあげるフランスベット社のFB-Kネオも、同社自走型のFB-Jネオを介助型に転用したものある。

FB-Jネオ

FBシリーズは両タイプ共とシート高が38cmのいわゆる低床型で、とりわけ小柄な成人や片麻痺走行が必要な半身不随者にも便利である。FBシリーズはモジュールタイプではなく、低床のシート高、40cmの座幅ともに固定されているが、ステップ板の高さを調整することで、使用者の座位下腿長や各種の使用状況に対応する。スイング式で簡単に取り外せるフットレスト、はね上げ式の肘掛け、折り畳み式のブレーキレバーといった機能が、介助時の利便性を向上する。座面は肉厚のアルミフレームに支えられ、耐荷重は100kg。本体の重量はFB-Kネオで約14kg、FB-Jネオで約15kgである。

近年のとりわけ高齢者による需要の高まりによって、徐々にその姿を見かける機会が増えてきた介助型の車いすだが、福祉の先進国である欧米ではあまり見かけることはない。介助型はホイールが小径のため車体重量が幾分軽くなるものの、乗り心地に加え、段差の乗り越えなどの状況において多少の不便が生じると言われている。しかし介助者として実際に使用してみると、室内、戸外ともに全く不便は感じられず、多少なりとも小ぶりな介助型のほうが有利になる場面も少なくない。ただし、舗装路からはずれた荒れ地や草地の使用に関しては、大径ホイールのほうが有利であると思われる。

高齢者の介護をはじめ、万が一の怪我、災害時の避難等、意外と車いすの用途は広い。われわれの住環境とは実に不安定なものであり、短時間のうちに激変する。

クロスバイク シラス 改 Sirrus Reconstructed

現在これだけ普及したクロスバイクだが、その起源を遡るとマウンテンバイクにたどり着く。自転車によるマウンテンライドは、1970年代に米国のカリフォルニア州北部で行われていたダウンヒル競技に、その起源をもつといわれているが、当初そのような用途に即したバイクはなく、競技には一般車を個々が独自に改造した車体が用いられていた。もちろんこの時期にはまだ「マウンテンバイク」という名称は普及しておらず、いくつかの製品化を経た1980年代初頭、このシラスを開発したスペシャライズド社が販売した「スタンプジャンパー」により初めてマウンテンバイクという名が世界中に知られるようになった。マウンテンバイクはその剛健性と汎用度の高さから急速に普及したが、実際に購入したユーザーの多くは、街中の舗装路しか走らないという使用状況が発生した。こうした需要を満たすために、マウンテンバイクの悪路踏破性や剛健性をある程度残しつつ、ロードでの走行性も重視した車体として、徐々に改造され定着したのが、現在一般にクロス(オーバー)バイクと呼ばれる車種である。

こうした歴史的背景を別にしても、ロードバイクでは負荷が重過ぎる場面がある山がちな生活環境を考え、今回組み上げるバイクはマウンテンの持つ走行性も重視したクロスバイクとすることにした。そのスペシャライズド社が販売しているシラス(Sirrus)のフレームをベースとし、ホイール以外の各部はマウンテン用のパーツで固めてみた。

シラス用カスタムパーツ

今回は高速での直進走行性よりも、近距離走行や低速でのハンドリングの良さ、車体の取り扱いやすさにスポットをあてたバイクを志向した。マウンテンバイク的なポジショニングを意識して、フレームは少し小さめのサイズを選定し、ブレーキとギヤ周りはシマノ(Shimano)のデオーレ(Deore)を中心に、シート、シートピラーそしてハンドル回りは種々のマウンテン用パーツを装着した。ブレーキは制動時のバランスを考慮して、デオーレLXの旧製品を選んでいる。とりあえず手持ちの細めのロードタイヤ(25C)を選択して試乗してみると、やはりシラスのフレームとマウンテン用パーツとの相性はよく、目的にかなったバイクが出来る確信がもてた。最近ではクロスバイクといっても、舗装路での高速走行を前提としたロード寄りの車種が多く出回っているが、筆者のように山裾の丘陵地に位置し、舗装されつつも荒れた路面が多い生活環境を考慮して「道を選ばず軽快に」というクロスバイク本来の意図を汲みながらバイクを組むのなら、こういった組み合わせが功を奏するようだ。やはり市販品とは異なり、自分で設計し組み上げるセルフメードバイクには格別のフィット感がある。今回はシクロクロスとも異なる中庸なクロスバイク用フレームを中心とした組み立てだったが、作業は概ね終了し、あとは最終的な調整を残すのみとなった。

  • フレーム: SIRRUS A1 EXPERT
  • エンド幅: 130mm
  • ボトムブラケット(Sirrus純正は 68x113mm): 68(JIS)、1.37x24、MM110、 Chainline=47.5
  • クランク: 175mm
  • スプロケット(前): 11, 13, 15
  • スプロケット(後): 17, 20, 23, 26, 30, 34
  • チェーンリンク数: 108(?)
  • ディレーラー(フロントM510): Stay Angle=66-69°
  • シートポスト: 27.2mm
  • ハンドルクランプ径: 25.4mm
  • コラム径: 1-1/8インチ(28.6mm オーバーサイズ)
  • ヘッドセット: 1-1/8インチ(28.6mm オーバーサイズ)
  • リムテープ幅: 15mm
  • スポーク: ステンレスプレーンスポーク#14、FRONT:282mm

上記データは私のカスタムバイクのもので、市販品のシラスのデータとは異なります。何かの参考になればと思い、あえて掲載しています。

クロスバイクマウンテンバイクロードバイクシマノ(Shimano)デオーレ(Deore)

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